ねこのお役立ち情報

【猫好きさんへ】猫3匹以上と一緒に暮らす場合の注意点やポイント5選

猫好きの皆さんにとっては

たくさんの猫に囲まれて暮らすことは夢なのではないでしょうか?

しかし猫に限らず、ペットの数が増えることはそれだけ責任も大きくなります

愛する猫たちと快適に過ごせるように気を付けておくべきことをまとめていきます。

この記事を読むとわかること

・猫を多頭飼育する際のポイントと気を付けるべきことがわかる

・猫を多頭飼育する際に心がけることがわかる

最初に知っておくべき注意点5つをまとめておくと

①健康管理に気を付ける必要がある

②猫同士の顔合わせには注意が必要

③多頭飼育するためには金銭的余裕や覚悟が必要

④猫と過ごす時間の確保をする必要がある

⑤緊急事態に備えておく

ポイント①健康管理に気を付ける必要がある

猫は弱さを隠す生き物

猫は体調不良を隠す動物です。

弱さを見せることは、外敵に狙われやすくなるため本能的に自分が弱っているところを見せまいとします。

従って目で見てすぐわかる不調が現れたときは、緊急性が高いことが多いです。

そのためには日ごろから猫たちの体調に変化がないかチェックしておく必要があります。

体調チェックのポイント

日ごろから体調をチェックすることは欠かせません

普通の状態を知らなければ普段との違いは分かりません

日ごろからチェックするポイント

・体にけがはないか(けがはなくても触って痛がる場所はないか)

・体の毛がむしれているところはないか

・食欲はあるか

・水を飲んでいるか、水を飲みすぎていないか

・排せつの回数や量は少なくないか

・尿の色は普段と変わらないか

・便の硬さや色は変わりないか

・虫歯があったり口臭がきつくないか

などなど実に多く普段から気を付けておくべきことがあります。手や目、鼻、耳と五感をフルに使ってチェックする必要があります。

共用で使っているものには注意が必要

猫は下部尿路の疾患になりやすくトイレに不調が現れやすい生き物です。

しかしながら多頭飼育している場合は猫同士が同じトイレを使ったりすることもあるため

しっかり全員トイレに行っているかどうかを確かめにくくなってしまいます。

こまめにトイレの掃除など行い、尿などに異変がないかしっかりチェックする必要があります

体調が悪そうかもと感じたら、できるだけ早く動物病院に連れていってあげてください。

部屋や場所を分けたりして、トイレの異変などをしっかりつかみ獣医さんへ伝えたりする必要が出てきます。

ご飯をしっかり食べているか確認する

またご飯を食べる量もしっかり見ていないと、よく見たらあまり食べていないまま他の猫が残りを食べてしまっている場合もあるので

ちゃんと食べているかを確かめる必要があります。

ご飯を常に出しっぱなしにするのではなく、その都度新しいものを出して食べる量が適切かの確認も必要です。

常日頃から体調に変わりがないかチェックすることが大切。

異変がある場合は必ず分けたりして様子を見る

異変を感じた場合はすぐに動物病院で受診することが何よりも大切。

猫の食べ過ぎや早食いを防ぐ方法はこちらでもまとめていますのでご覧ください

ポイント② 猫同士の相性や顔合わせには注意が必要

猫はなわばりで生きる生き物です

そのため猫と暮らすにはなわばりを作って実感させてあげることが重要です。

それには自分のにおいがするということが重要です。

そして多頭飼育においてはなわばりの境目は注意が必要です。

限られた空間ではなわばりが重なる部分があり

ケンカやマーキング行動などのトラブルが起きる可能性があります

したがって猫同士の顔合わせには配慮すべき事項と猫たちの様子を見ながら計画的に行う必要があります

先住猫への配慮が何よりも大切

多頭飼育において、

最初から仲良しの猫同士が一緒に暮らし始めるのであれば

それほど大きなトラブルはないと思います

しかし、多くの場合は先住猫がいて、そこに新しく新入り猫がやってくるという形になると思います

先住猫と新入り猫の顔合わせを、猫たちにすべて任せると多くの場合うまくいかないでしょう。

なぜなら先住猫にとって、新入り猫は自分の縄張りを脅かす侵略者だからです。

新入り猫がきても自分の安全地帯が守られるという実感を先住猫が感じられることが必要です

先住猫がいる場合の新入り猫との顔合わせの手順や注意点についてはこちらの記事を参考にしてください。

全ての猫が自信をもって過ごせるように

猫同士が快適に過ごせるという状況は必ずしも猫同士が仲良くなるということを指すわけではありません。

大切なのは全ての猫が、今いる場所に対して安全で快適であると確信でき、毎日を不安なく過ごせることです。

そしてそのためには猫が自分に自信をもって生きていけるようにしてあげることが大切です

仲良くなった猫たちの姿を夢見るかもしれませんが、それを押し付けてはいけません

一緒に丸まって寝たり毛づくろいをしあう関係でなくても、同じ空間を共有し一緒に暮らしていけることを目指します

ベースキャンプ(なわばり)を確保しつつ、それぞれの安心と自信を高めてあげることが必要

顔合わせには手順とサポートが必要

猫同士の顔合わせには少しずつ距離を近づけることが不可欠です

猫は姿は見えなくても匂いや声で他の猫がいることはすぐにわかります

いきなり顔合わせしてしまうとすぐに敵認定されてしまいます。

そのため猫同士の顔合わせには細心の注意が必要です

まずはにおいだけの距離感にする

まずは2匹を別の部屋で過ごさせます。においだけ、音だけでの距離感を取るためです。

そして先住猫と新入り猫が近づくのはご飯のときだけにします。

それは新入り猫の存在=ご飯(いいこと)と結びつけるためです

いいことが起きるときにいつも新入り猫の存在を感じるなと思ってもらうようにしていきます

そしてその距離を少しずつ近づけていった先に網越しの対面を検討していきます

顔合わせは取っ組み合いを防ぐサポートをする

初めての顔合わせには必ず警戒や威嚇がつきものです。

猫は基本的に無用な戦いを避ける生き物です。見た目で勝てないと思った相手に無謀な戦いを挑むことはしません

反対に相手が降参したとわかった場合はそれ以上攻撃を加えることもしないことが多いです

しかしストレスフルで興奮状態だったり、なわばりを死守しようとする去勢していない雄猫などは

相手をしとめる勢いでとびかかったりします。

目などの急所を狙う攻撃をしようとしている場合はかなり本気の攻撃行動です。

猫同士の顔合わせは少しずつ行っていきます

匂いだけの対面のときと同じように、ご飯などいいこととセットで行うのがよいでしょう

最初は仕切りを置いて手が届かないようにするところから始めましょう

仕切りを取っての顔合わせをする際は

取っ組み合いのけんかになりそうであれば、その顔合わせは終了しクールダウンをします。

猫同士の威嚇などは避けては通れませんが、決定的な衝突は飼い主が避けるようにサポートします

なぜなら猫は怖い思いをしたことを簡単には忘れてくれません

少しずつチャレンジさせてあげてください

・爪を切っておくことでいざという時の大けがを防ぐ

・顔合わせの前に遊びをしっかり行い、ストレスや体力を発散させておく

以上のような事前の取り組みも重要です。

ケンカに発展した際はもう顔合わせをしないのではなく、成功していた顔合わせ段階まで戻り少しずつ進めていきましょう

去勢・避妊手術をしっかり受ける

猫の多頭飼育においては去勢手術や避妊手術をしっかり受ける必要があります。

オス猫は一般的に去勢手術をすることで

縄張り意識が弱くなったり、攻撃性が緩和されたりします。

兄弟同士でないオス同士を多頭飼いするのであれば去勢していなければ必ずと言っていいほど本気のケンカに発展する傾向があります。

また飼育崩壊を防ぐ意味でも去勢・避妊手術を受けることは非常に重要です。

去勢していないと縄張り意識が強いだけでなく、

発情期などで満たされない気持ちがストレスとなったり、脱走の危険性が高まることにもつながります。

また喧嘩が減ることでけがによる感染症のリスクが減ったり

前立腺や精巣の病気になる確率をへらすことにもつながり猫の健康を守ることにもつながります。

メス猫でも同様で、発情期にはかなりのストレスがかかります。

また避妊手術により卵巣や子宮等を摘出することで生殖器疾患のリスクを減らすことにもつながります

どうしても仲良くなれない場合もある

こちらの思い通りに

すべての猫同士が仲良くなってくれるわけではありません

あっという間に仲良しになることもあれば

ほんの少しずつ事態は進んで何か月もかかる場合もあります。

そしてとても大切なことは

どうしても顔を合わせると取っ組み合いや強く攻撃行動に出る場合など、

同じ空間で生活することが難しい可能性があるということを頭に入れておきましょう

ポイント③ 多頭飼育には準備と覚悟が必要

多頭飼育をする場合には、

けがした野良猫を保護するなどやむを得ない理由で引き取ることになったというケースもあると思います

しかし、猫を増やしたいと思う時には衝動的に行動するのではなく

ちゃんと迎え入れる準備や環境があるかどうか

また、最後のときまで一緒にいられるように金銭的な余裕があるかというところまで考えていくことはとても重要です

そして何より、何があっても最後まで投げださないという気持ちが何よりも大切です。

厳しいようですが、その気持ちがなければペットと暮らすということは難しいと思ってください。

飼育に係る費用をについて知っておく

多頭飼育をするということは

それだけ必要となるご飯の量やトイレの数が増えたりしてかかる費用が1匹と比べて増えることになります。

動物病院での治療には公的に適用される保険などはありません

したがって基本的にペットの病気やけがに係る費用はすべて全額飼い主の自己負担となります

そのため、ちゃんと緊急時も対応できる金銭的な余裕や備えをしておくことが重要です。

ただ備えておきましょうと言っても、何をどのくらい備えればいいの?となってしまいます。

平均的な金額を知っておくということは、計画や安心につながります。

アニコム損害保険株式会社が毎年発表しているペットにかける年間支出調査では

(https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2020/news_0210323.html

猫にかける年間支出は約16万円となっています(ご飯代などの他に治療費も含む)

猫の数が増えれば等倍とはいかなくても、その分増えることにはなります。

したがって3匹以上になれば年間で数十万ほどかかってくるといえるでしょう

ご飯代のほかに治療代も含む金額なので、なにも体調に不調がなければもう少し金額は下がります

ただ年齢が近い猫が多ければ、年齢的なリスクは同時に高まりますのでまとまって通院や治療などに費用が掛かる場合もあります

猫1匹の飼育に係る費用は年間16万円ほど(平均額)必要になります

健康状況等で追加の出費も想定して備えておきましょう

もしもの場合の費用にも備えていく(ペット貯金やペット保険)

さらに猫が病気やケガをしてしまった場合の治療費や手術ともなれば、数万から数十万かかることもあります。

民間のペット保険等に入って、急な出費に備えておくことも一つの方法です。

しかしペット保険は様々な注意点があります。

・すべての診察・治療に対して保険が下りるわけではない

・基礎疾患等で加入できない場合がある

・予防診療には適応されない

・高齢猫は加入できない、年齢制限がある場合がある

・月額保険料が高齢がなると高額になる

つまりはペット保険に入っていれば安心というわけではなく、自分の状況に合わせて判断する必要があります

詳しくまとめた記事はこちらになりますので、良ければ参考にしてみてください

いざという時のお金を備えておくことの重要性を述べましたが

何よりも日ごろから病気の予防に努めることが必要です。

普段から定期検診などの健康チェックを行うことは重要です。

一定の費用が掛かりますが

予防・早期発見につながるため結果的に医療費コストの削減につながります。

ペットと暮らすには、最後まで一緒にいるという責任と覚悟が必要。多頭飼育になればその責任はさらに大きくなる

飼育や治療などにかかる金銭的な余裕など事前に確認したり、もしもの場合に備えてペット用のお金を積み立てていくことが重要

ポイント④ 猫と過ごす時間を確保する工夫が必要

複数の猫に囲まれて暮らすには

健康管理などの注意点があることを述べました。

健康管理などをしっかり行うには、時間を確保することが大切です。

掃除やお世話の時間を確保する

健康管理の基本はいつもと変わりがないか?をチェックすることです

ご飯をしっかりたべているかや排せつをしっかりしているか

けがやつらそうな様子はないか?

毎日健康をチェックする必要があります

その他にも抜け毛なども多いため

こまめにブラッシングや掃除などをする必要があります。

ブラッシングがされていないと毛を飲み込み毛玉ができやすくなったりします

掃除がされていないと猫たちも快適ではなくなるほか

猫アレルギーの原因物質が多くなり飼い主にも負担が出てきたりする可能性もあります

猫に遊びは必要不可欠

猫にとってあそびは必要不可欠です

なぜならば遊びは猫にとって【狩り】を意味するからです

犬を飼っている人は毎日散歩に出かけます

それと同じくらい猫にとって毎日遊ぶことは重要です

正しくは遊ぶというより

【獲物を捕まえて仕留めて食べる】という野性を刺激してあげるということです

それにより猫はエネルギーやストレスを発散させることができます

多頭飼育の場合は他のねこにたまったエネルギーをぶつけてしまうことがありますが

それはけんかやケガの原因になったりするため

しっかりと意識的にエネルギーを発散させてあげることが重要です

ポイント⑤ 脱走や災害などの緊急事態に備えておく

飼い猫が脱走してしまった場合に備えておく

まずは脱走しないようにすることが最優先です

予防策としてできる対策を上げておくと以下のようなものがあります

脱走を防ぐためのポイント

・網戸に触れないようにする(網戸を破いて出ていってしまうことがあるため)

・窓の閉め忘れに気を付ける(小さなすきまでも出ていくことができるため。※鍵が開いていれば開けることができる窓もあり)

・二重扉にする(扉を開けた瞬間に飛び出してくる可能性もあるため)

・去勢・避妊手術を適切に実施する(発情期は脱走の危険性が高まるため)

賃貸で高い場所に住んでいる場合は脱走してベランダから飛び降りてけがをしてしまう可能性もあります。

一軒家では猫ドアなどつけて外に出れるようにしている方もいますが

賃貸は基本的に室内外のみです。

犬のようにドッグランなども基本的にはありません

犬と猫はそもそも違うので成猫同士が出会うということは敵との遭遇を意味します

外の方が猫ものびのび過ごせるよということではなく、家の中で野性を満たしてあげることが大切なのです

万が一飼い猫が脱走してしまった場合に備えとしてできること

万が一脱走してしまった場合に備えて事前にできることは

  • 去勢・避妊手術をしておく
  • マイクロチップを付けておく
  • 写真を撮っておく

上記のような対策があります。

(1)【去勢・避妊手術の重要性】

脱走のリスクが高まるのは発情期の時期です。避妊していないメス猫であればほとんどの確率で妊娠の救があります。また雄猫は去勢していなければ他の猫とのけんかの確率が高まります

(2)【マイクロチップ装着の意義】

マイクロチップとは飼い主の情報や猫の情報が入ったチップを猫の首の後ろに皮の下に埋め込みます。

よくある間違いで多いですが、マイクロチップにはGPS機能がついていないので、位置情報をもとに猫を探し出すことはできません

あくまで保護した後に、飼い猫なのか飼い主は誰なのかを特定するために活用されます

飼い猫と分かれば、保護した後に連絡をもらえる可能性がぐっと高まります

(3)写真を撮っておく

猫を飼っている方なら猫の写真はいっぱいあるよという方ばかりだと思います

ただかわいいポーズの写真が多いのではないでしょうか?

猫を見つけてもらうには特徴がわかる全体写真が必要です。

また行方不明の期間が長ければ長いほど、見た目も大きく変わります。

加工などしていない写真で全体、後ろ、横、わかりやすい特徴などを写真で記録しておきましょう

災害時に備えておく

台風や地震、大雨といった災害はいつ来るかわかりません。

多頭飼育をする際は猫たちとどのように避難するかということをあらかじめ考えておく必要があります

また災害が起きてから必要な道具などを用意することはできないため

あらかじめ必要になることが想定できる防災・避難グッズは用意しておく必要があります

その他、速やかに避難したり避難所で落ち着いて過ごせるようにするためには

キャリーやテントなどで過ごすことに慣れておくことも重要です

災害前に備えておくとよいこと

・キャリーバッグに慣れておく

・防災グッズ等を用意しておく

・避難経路や避難場所について調べておく

猫3匹以上と暮らす際のポイントのまとめ

猫3匹以上と暮らす際に大切なことを5つまとめました

ペットと暮らすということは事前準備と覚悟が大切

また日々の暮らしでしっかりペットと過ごす時間を確保すること

そして非常時の対策と金銭的な計画をしっかり立てることが重要

大切な命と最後まで向き合うことであることを忘れないで

素晴らしいペットとの生活を楽しんでください

参考文献

今回に限らず私が猫とのかかわりの上で大切にしていることは

ジャクソン・ギャラクシー ミケル・デルカード著 『ジャクソンギャラクシーの猫を幸せにする飼い方』(2018) 株式会社エクスナレッジ

から多くの学びを得ています。

猫がどういう生き物であるのかということと、猫の中のモジョ(自信)を高めていくために必要なことが

具体的かつ専門的に書かれています

興味のある方はぜひ手に取ってみてください